海外旅行で使う外貨をお得に両替する方法(換金レートの比較付き)
海外に行くとなると、何かしらの手段で現地国のお金を入手しなければなりません。
発展している観光都市なら多くのお店でクレジットカードが使えますが、チップとして渡したり、万一カードが使えなかった場合の保険としてなど、いくらかの現金は空港に着いた際に持っておきたいところです。
両替には意外と様々な手段があり、 知っていると知らないとでは大きな損失が生まれたりする ので、ここにまとめておきます。
結論だけ言うと、「 ドルやユーロならマネパ 、少しマイナーな通貨なら インターバンク 。少額なら気にせず クレカ 支払い 」となりました。
外貨に両替する方法
まず、両替する方法を列挙してゆきます。
以下のように大きく分けられます。
(空港の)両替所
多くの方が真っ先に思い浮かべるのはこれではないでしょうか(トラベレックスなど)。
空港にあるので、現地についてからでも何とかなり、必要な分だけ両替できるため最も利便性が高いと言えます。
必然的に、換金レートが悪くなります。
- ○ 利便性が高い
- ○ 即時性がある
- ✘ 換金レートが悪い
(街中、銀行の)両替所
次に馴染みがあるのはこれかと思います。
空港にある両替所がそのまま街中にある(観光地に多い)場合や、主要銀行(UFJや三井住友)が業務の一環として行っていたりします。
空港の両替所に比べるとお得なことが多いですが、まだまだ換金レートは良いとは言えません。
- ○ 利便性がそこそこ高い
- ○ 即時性がある
- ✘ 換金レートがそこそこ悪い
両替専門の会社、宅配
あまり聞いたことが無いかもしれませんが、両替を事業として行っている会社がいくつか存在します。事前に必要な金額を記入し、宅配をしてもらうサービスが多いです。
(なお、銀行も宅配をやっていますが、レートは店舗と変わらないことが多いです)
多少時間がかかりますが、比較的お得な換金レートになります。
- ○ 換金レートが比較的良い( 会社によっては相当良い )
- ○ (宅配では)両替所に現金を持っていく必要がない
- ✘ 時間がかかる場合が多い
- ✘ ちょっと怪しい
- ✘ 宅配は手数料がかかる
私が使ったことのあるのは、インターバンクという力強い名前の会社です。
秋葉原に店舗があるので、直に受け取ることが出来ました。
マネーパートナーズを使う
FXの会社であるマネーパートナーズ(以下マネパ)のサービスを利用し、限りなく最善に近いレートで両替をします。
両替したものは、申請をすることで実際に空港(成田・羽田・関空・中部)で受け取ることが出来ます。
なお、2017年現在、現実的な価格で外貨受け取りを行っているFXサービスはマネーパートナーズだけだと思われます。
詳細は空港外貨受取サービスをご覧ください。
- ○ ほぼ最善 の換金レート
- ○ 両替所に現金を持っていく必要がない
- ○ 空港で受け取れる ので、準備が楽ちん
- ✘ マネパの口座が必要
- ✘ 1〜2週間前には申請が必要
- ✘ 対応通貨が少ない
- ✘ 手数料が500円かかる(少額なら使うと損するかも)
クレジットカードで支払う
これも意識しないだけで、立派な両替です。
とっても便利な魔法のクレジットカード。
今更利点を述べるまでも無いですね。
レートも銀行や両替所に比べ、かなり良いです。
後述しますが、普通はなるべくクレカで支払うのが最善と言えるでしょう。
- ○ 必要な時に必要なだけ 払える
- ○ 悪くない換金レート
- ○ ポイントが付く
- ✘ 使えない場面が幾つかある
- ✘ 請求処理時のレートで計算される
- ✘ 結局いくらになるかは不透明なことが多い
海外キャッシングで引き出し
クレジットカードの機能として、キャッシングがあります。要は借金です。
こう見ると怖いですが、 海外キャッシング はATMから現地のお金が引き出せ、かつお得なことが多いので考慮すべき方法です。
換金レートだけ見るとほぼベストですが、それ以外の部分でコストがかかります。
- 借りたお金の利息
- ATM使用手数料
借金なので年15%以上の大きな利息が付きますが、繰り上げ返済を利用するとお得になる場合が多いです。
また、ATM手数料が500円程度するので、こまめに引き出すとどんどんとお得さが失われます。
この手数料は、現地の機械に対してかかるものと、カード会社にかかるものそれぞれがあるため要注意です。
- ○ 現地で 必要な分の現金が手に入る
- ○ 利息を考慮してもお得なことが多い
- ✘ 事前にそのカードで審査を通る必要がある
- ✘ 返済を忘れると高くつく
- ✘ 500円程度のATM手数料が毎引き出し時にかかる
一番お得なのは?
ようやく本題です。
なお、この記事を書いている時点でのレートをYahoo!ファイナンスで確認したところ、以下のレートでした。
- ドル円(USDJPY): 112.50
- カナダドル円(CADJPY): 90.19
このレートに数銭(0.01)を足し引きすると、実際にFX業者でトレードできるレートになります。
比較結果
早速結果を出してしまいます。
わかりやすさのため、3万円を両替した際にどれだけの外貨が得られるかを添えています。
ドルは極めてメジャーな通貨なので、どこも比較的近いレートになっています。
が、カナダドルは取扱いが減るせいか、異常なレートを付けていることがあるので注目です。
円からドル
受取 | USDJPY | 手数料 | 3万円→USD | |
---|---|---|---|---|
トラベレックス | 店頭 | 115.27〜 | 0 | 〜260.25 |
三井住友 | 店頭 | 115.50 | 0 | 259.74 |
三井住友 | 宅配 | 115.74 | 600 | 254.02 |
三菱東京UFJ | 店頭 | 115.53 | 0 | 259.67 |
クレカ | 114.59 | 0 | 261.80 | |
インターバンク | 店頭 | 112.98 | 0 | 265.53 |
インターバンク | 宅配 | 112.98 | 500 | 261.11 |
マネパ | 空港 | 112.70 | 500 | 261.76 |
キャッシング | 114.44 | 500 | 257.78 |
インターバンクの店頭受け取りが一番お得という結果になりました。
3万円という少額を両替するケースなので、500円の手数料が結果に大きく響いています。
宅配または空港受け取りをしたい場合は、インターバンクかマネパを使うと良さそうです。
円からカナダドル
Here is the provided HTML table converted to Markdown format:
受取 | CADJPY | 固定費 | 3万円→CAD | |
---|---|---|---|---|
トラベレックス | 店頭 | 99.19〜 | 0 | 〜302.45 |
三井住友 | 店頭 | 〜101.28 | 0 | 296.21〜 |
三井住友 | 宅配 | 101.28 | 600 | 290.28 |
三菱東京UFJ | 店頭 | 99.29 | 0 | 302.15 |
クレカ | 92.31 | 0 | 325.00 | |
インターバンク | 店頭 | 90.98 | 0 | 329.74 |
インターバンク | 宅配 | 90.98 | 500 | 324.25 |
マネパ | 空港 | - | 500 | - |
キャッシング | 92.19 | 500 | 320.00 |
こちらもインターバンク(店頭)がお得ですね。
CADJPYはUSDJPYに比べ店舗間のレートの差が激しく、かつマネパが対応していません。
各両替手段の詳細
以下は詳細ですので、興味がなければまとめへどうぞ。
両替所
最も有名なトラベレックスで確認しました。
ただし、これはオンラインレートであり、店頭ではさらに上がると予測されます。
- USDJPY: 115.27〜
- CADJPY: 99.19〜
銀行
三井住友銀行の店頭です。
このページによると、ドル円は+3円するそうです。
カナダドルは不明でしたが、後述する宅配より少し安いと考えられます。
- USDJPY: 115.50〜
- CADJPY: 〜101.28
三井住友銀行は宅配もあります。
宅配もやっていますが、当然店頭よりコストがかかります。
さらに、金額合計が8万円未満の場合 配送料が別途必要 となり、さらに600円(3万〜8万)か1,200円(〜3万)かかります。
- USDJPY: 115.74
- CADJPY: 101.28
念のため、もう一つ大手銀行を。
三菱東京UFJ銀行
- USDJPY: 115.53
- CADJPY: 99.29
クレジットカード
数種類ブランドがありますが、ここではVisaで考えます。
レートが実際にいくらになるかですが、Visaがツールを用意してくれています。
"bank fee"に1.63%を入れると、カード会社が利用するレートになります。
- USDJPY: 114.59
- CADJPY: 92.31
両替所や銀行と比べると随分お得ですね。
利便性も高いし、さらにポイントも付く。
さすがは魔法のカードです。
インターバンク
- USDJPY: 112.98
- CADJPY: 90.98
極めてお得な、名前に恥じぬ インターバンク感のあるレート ですね。
宅配では500円以下の手数料がかかりますが、店頭まで行けばタダです。
大黒屋など、幾つか同じサービスを提供している店舗がありますが、ここはそれらの中でも圧倒的にお得です。
マネパで空港受取
両替では+20pips、つまり20銭がレートに加わる仕組みです。
- USDJPY: 112.70
- CADJPY: - (対応していません)
こちらも極めてお得、かつ空港で受け取れるというメリットがあります。
空港受取に500円ほどかかりますので、少額の際は注意です。
海外キャッシング
クレジットカードと同様、Visaで考えます。
先程のツール(Visa Exchange Rates)を使うとレートがわかります。
今度は手数料を除くため、"bank fee"を0%にして表示します。
- USDJPY: 112.748725
- CADJPY: 90.829400
ほぼマネパと変わらないですね。
さて、ここに返済まで18%の利息がつきます。
簡単に、返済に1か月かかったと考えます(実際には、処理の都合上それ以上かかることも多いです)。
すると、1.5%の利息がつくので、レートに反映させるとこうなります。
- USDJPY: 114.439955875
- CADJPY: 92.191841
おおよそクレカくらいになりましたね。
40日かかった場合はより不利になります。
なお、日本のATMで繰り上げ返済が出来るため、早く返せば返すほどお得になります。
便利なシミュレーターがあるので、実際に計算してみたい場合はご利用ください。
ただし、これに加えてATM手数料の500円がかかるので注意です。
まとめ
旅行で使う、3万円程度を持っていくと考えると、「クレカより圧倒的にお得!」と言えるものはありません。
そのため、以下のような使い分けが良いのではないかと思います。
- 必ず使う分の現金を インターバンクの店頭受け取り 、または マネパの空港受け取り で両替
- 現地ではなるべく クレカで支払い
クレカはポイントも付くのでさらにお得です。
金額的に一番お得なわけではありませんが、色々考える時間を使わないため 実質最もお得 なのではないのでしょうか。
注意事項
今回は3万円で比較したためこのような結果になりましたが、10万円以上を両替すると結果が多少変わります。
手間をかけるだけの金額差が出たりしますので、ユースケースを確認してから両替しましょう。